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18歳まで住んでいた実家が鉄筋コンクリート造で、夏は暑く、冬は寒い。そして結露や雨漏りなど身近に経験して幼少期を過ごしました。

その経験から、子供ながらに木造住宅に強い憧れを持っていました。

大変な思いをして建てた親には申し訳ないが、大きくなって自分で家を持つとしたら間違いなく木造で建てると心の中で思っていました。

私の地区では、昔から屋号で呼ばれていました。屋号とは名前ではなくあだ名というものです。

うちの屋号は『大工さん』。ですので私は『大工さんとこの息子』

ですので大工の息子なんだなと思いながら過ごしていました。

しかし、親父は大工ではなく機械整備のメカニックでした（笑）

大工ではありませんでしたが、器用な人で日曜日になると裏の空き地で、日曜だけの大工仕事を楽しんでいました。

木を丸鋸で切り、金槌で打ち小屋を作る。そんな親父の横で真似をするようになったのは、私が小学3年生の頃でした。

親父から丸鋸の使い方を教えてもらい、恐る恐る自分で切った感覚は今でも鮮明に覚えています。

金槌や鉋（カンナ）鑿（ノミ）などの道具をとにかく触るのが好きでした。

『モノづくりは楽しい』という感覚。作るモノをイメージをして絵を描く。つまり今でいう設計図です。実際は上手くいかないことの方が多かった記憶ですが、考えながら完成した時のモノをイメージしている時が楽しくて仕方ない小学生でした。

ある日、ふと自分の呼び名が『大工さん』、なぜそう呼ばれるようになったのか気になり調べました。

私が生まれた時には既に白黒の写真の中の祖父。祖父もとても器用な人で大工仕事をしていたと聞きました。

やはり遺伝子は受け継がれるものなんだなと思いました。全く違和感がないどころか、むしろやっぱりそうだったのかと深く納得しました。

器用で頑固なところは、祖父から父に、そして私へと受け継がれている。